オーストラリアの食事はイタリア系移民によって永遠に変わった。オーストラリアはイタリアの食生活を興味を持って受け入れた。

 イタリア人の貧しさを象徴する移民の話でも、南イタリアと北イタリアというキーワードが出てきます。南イタリアからは南米などへ渡りました。北イタリアからはフランスやベルギーなどへ渡りました。そして行った先々で苦しい暮らしをしながらも、コミュニティーを作り、差別と闘いながらイタリア人の団結の象徴としてふるさとの料理を伝えてきました。私たちが知っているイタリア料理でありながら、その背景には深い歴史と文化が隠れていたのです。
 南米、ヨーロッパの次に紹介するのはオーストラリアです。イタリアからオーストリアへの移民は20世紀初頭にシチリア人がクイ―ズランドのサトウキビのプランテーションで働くためにやって来たことから始まりました。第2次大戦後に大きな現象になり、1948年~1980年の間に40万人以上がやって来たそうです。
 移民の大部分はシチリア、カラブリア、ベネトからやってきて、メルボルン、シドニー、アデレード、パースなどの大都市に集中しました。
 
イタリアからオーストラリアへの移民。








世界最大のイタリア人街、リトルイタリーはメルボルンにある。約30万人のイタリア系オーストラリア人が住んでいる。

195年代にイタリア移民たちが食べていた食事。彼らが持ってきた段ボールのスーツケースとオリーブオイルの缶に隠したサラミ、ノンナの数世紀にわたる料理のレシピはオーストラリアの食事を永遠に変えた。イタリア人の生活には欠かせないオリーブオイルはオーストラリア人にとっては衝撃だった。フランス人やベルギー人とはまったく違う反応だったようです。


オーストラリアに紹介されて定着した料理のシンボルは、スパグ・ボールspag bol。


スパグ・ボールとはスパゲッティ・アッラ・ボロニェーゼの略語。イタリア移民たちの成功のシンボル。オーストラリアのあらゆるイタリア料理店で出すようになり、国中の家庭で作られている。

なるほど、スパゲッティを食べる習慣のないボローニャで、スパゲッティ・ボロニェーゼという料理が広まったのは、イタリア系オーストラリア人が原因だったのですね。

ラグー・アッラ・ボロニェーゼ。


ボローニャでラグー(ミートソース)をかけるのはスパゲッティじゃなくてタリアテッレ。


オーストラリア人がイタリア料理に関心を持つようになったのは、移民が減った70年代。その裏にも何か問題があったんだろうなあ。

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記事の内容は以前の(CIR)や販売している書籍から引用しています。

動画は日本語の字幕付きでご覧ください。

この話は(CIR)2023年11月号の記事《世界に伝わったイタリア料理》の解説です。“オージー・スパグ・ボール”の日本語のリチェッタと写真はP.23。

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