(CI))2022年1月号発売しました。

 (CIR)2022年1月号の販売を開始しました。

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イタリアは日本同様南北に長い、海に囲まれた国です。

地中海地域であるだけでなく、アルプス地域でもあります。太陽に恵まれた地中海地域の旬が夏なら、高い山の上のアルプス地方の旬は冬。

1月は、イタリア料理の主役が完全に海から山に移動しました。

北と南という、気候や地形による決定的な食文化の違いは、新年を祝う食事の伝統にも表れています。

イタリア料理を作る時は、いやでも自分の作る料理が南か北の伝統に属しているかを意識することになります。

例えば、今月号の記事《シェフの新年の料理》は、『サーレ・エ・ペペ』誌でショークッキングなどを担当しているシェフのオリジナルメニュー。シェフの祖父母はヴェネトとシチリア出身で、本人はミラノで育ちました。祖母が料理を作る姿を見て料理を覚えたそうです。

彼の料理は、南北の食文化が気が付かないレベルでミックスされています。

まず、新年のホームパーティーメニューのスタートは、ゴージャス感を高める甲殻類の料理、エビのカタルーニャ風から。

ガンべリ・アッラ・カタラナGamberi alla catalana


ちなみに今月のリチェッタには、イセエビのテルミドールもあります。これも景気の良い甲殻類の料理。これは世界中の人がおめでたい席で食べたがる料理。この料理はソースの味によって南北に分かれます。マスタード入りだと北イタリア風、ドライトマト入りだと南イタリア風なのだそうです。

イセエビのテルミドール


次は、お祝い料理の定番、パテ。エビのムースやうさぎ肉のテリーヌなどバリエーションは様々ありますが、シェフは七面鳥のパテのメダイヨン風を選びました。

次は、新年の料理に欠かせないレンズ豆です。コテキーノの付け合わせにするのが定番ですが、ここでは、シェフのオリジナリティーが発揮されて、コテキーノをミニパニーノ仕立てにして、レンズ豆にはオマールとアーティチョークのフリットを添えました。

コテキーノとレンズ豆

オマールがレンズ豆の中に埋もれている姿、初めて見ました。

付け合わせのもう1品はトピナンブル(キクイモ)のピューレ

トピナンブルのイタリアで最大の生産地はベネト。祖父に捧げた1品だそうです。さりげないなあ。

ベネトのオステリア、ピロネトモスカ

次回は地方料理編。

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